売却が難しい土地とは?

土地・建物を売りに出しているのになかなか売れない、と悩む方は少なくありません。田舎の土地を親から相続したものの、有効活用する手段がなくて困っている、という話もよく聞くようになりました。不動産は所有しているだけでも固定資産税や維持費がかかりますから、まずは売れない理由を明らかにすること。そして、なるべく早く売れるような手立てを講じることです。そこで今回は、売りたくてもなかなか売るのが難しい土地の具体的な特徴を見ていきましょう。

不整形地

建物のある土地は、正方形あるいは長方形の方形であることが一般的。ところが、土地のなかには、近隣の敷地形状に合わせて三角形やL字型になっていたり、山の斜面に沿って傾いているものも少なくありません。こうした方形ではない土地は税法上「不整形地」と呼ばれます。

建物が建てづらく収益性が下がりがちな不整形地は、買い手がつくまでに時間がかかることから、価格は相場に比べて低くなります。そのため、不整形地への課税額を優遇し、整形地とのあいだで公平化を図る措置が取られています。


市街化調整区域内の土地

市街化調整区域とは、無秩序な都市化の広がりを抑制する目的で定められたエリアのこと。そのため、市街化が大幅に制限されます。決して珍しいエリアではなく、例えば、神奈川県では、都市計画区域20万ヘクタールのうち、市街化調整区域は約8万ヘクタールと4割に達する広さです。

市街化調整区域では、すべての開発行為に対し都道府県知事による開発許可が必要で、建物の建築が原則として認められません。昔からの住居や店舗がすでに建てられている場合は再建築が認められますが、開発許可申請は必要です(リフォームも同様)。このような規制やハンディの多い土地は、土地取引で嫌われるため、不動産会社にも敬遠されます。一方で調整区域を専門とする業者も存在するので、売却に向けて探してみるのも選択肢の1つです。


周辺環境に問題がある土地

売却したい住まい自体、土地自体には特に問題がなくても、近隣にいわゆる「ゴミ屋敷」や、老朽化した空き家などがあると、犯罪の温床になりやすいため、敬遠されがちです。また、近隣に風俗店やパチンコ店、公営ギャンブルなど、住環境の品格を下げるような店舗・施設や、葬儀場・火葬場、ゴミ処理施設、下水処理場などは嫌悪される傾向が強いため、マイナス要因となることがあります。


まとめ

売るのが難しい土地でも、対策を講じれば売れる可能性は高まります。また、万が一売れない場合でも、寄付や贈与といった形で土地を手放すことができる可能性もあります。「売るのが難しそう」「なかなか売れない」といってあきらめてしまうことはありません。専門家の力を借りれば、売れない土地の処分や活用の方法がきっと見つかるはず。不動産会社などの専門家に相談して早めに対処することをお勧めします。